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静岡新聞「薬の相談室」

ショウガの効果的な食べ方—スープや菓子に、冬は体温める

質問

36才の女性。ショウガは、二日酔いや胃もたれの時に胃腸の働きを良くしたり、「薬」としても用いられていると聞いています。どのように食べると効果的なのか教えてください。

回答

ショウガを乾燥させたものを漢方では「ショウキョウ(生姜)」と言い、抗炎症、抗菌作用、吐き気止め、解毒、消化促進、血行促進などの作用があるため、胃腸系や風邪、冷えなどの症状を緩和する効果を持つ漢方薬に多く配合されています。

ショウガを「薬」として考える場合、日本では漢方薬のように乾燥させたものを指しますが、漢方の本場中国では、乾燥させたものだけではなく、生のショウガも「薬」ととらえられています。これは、「薬食同源」(やくしょくどうげん)という考えに起因したもので、つまり、薬と食べ物は同じで、食べ物にも薬効がある、ということです。

日本でも生のショウガは昔から料理の香りづけや薬味によく使われていますが、「食」として体内に取り入れることによって、体のなかから体全体を温める効果があります。そのため、今の時期は、ショウガの効果のなかでも最も知られている、この「温め効果」をぜひ活用したいものです。生姜湯(しょうがとう)、ジンジャーティー、スープ、ショウガ焼き、お菓子など、ショウガを飲み物や料理に使い、外食が多いという人は、チューブ入りのおろしショウガを持ち歩いて手軽にショウガをとり、寒い季節を乗り切りましょう。

(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
大石順子

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