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静岡新聞「薬の相談室」

新型インフルエンザに備える—うがい、手洗い励行 マスクや食料備蓄

質問

37才女性。新型インフルエンザが国内で大流行すれば最悪で64万人が死亡すると言われています。家庭では何を準備しておけばよいのでしょうか?

回答

新型インフルエンザウイルスは、鳥類などのインフルエンザウイルスが変異し、人から人へ感染しやすくなったものです。いつ発生してもおかしくない状況で、人には免疫がないため世界的な流行になるとみられています。

新型インフルエンザ対策としては普段からうがい、手洗いを励行し、発生前に準備すべきことは、感染を予防するため、熱、咳、くしゃみなどの症状のある人には必ずマスクを着けてもらうことが重要なので、マスクを1人20~25枚用意しておきます。マスクは医療現場で使用される「サージカルマスク」が望ましいですが、ウイルスの吸入を完全に予防できるわけではないことに注意が必要です。

医療関係者などで、インフルエンザ症状のある人と近距離で接触が予想される場合には「N95マスク」やダチョウの卵から作った抗体マスクなどが必要です。

新型インフルエンザが流行している時期は、できるだけ自宅にとどまることが勧められます。そのためには最低2週間は買い物なしで生活できるような食料や日用品を備蓄しておきましょう。

また、インフルエンザ脳症を助長するような解熱鎮痛薬もあるので薬局で救急箱の中身をチェックしてもらってください。

そして、鳥インフルエンザヘの注意として、弱ったり死んでいる野鳥には絶対にさわってはいけません。

(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター主幹
大石順子

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