静岡新聞「薬の相談室」
抵抗性アタマジラミに感染したら—卵着いた髪は1本ずつ切り 専用のくしですいて駆除
質問
7才の娘。薬が効かないアタマジラミは、どのように駆除したらいいのでしょうか。
回答
アタマジラミには、市販のピレスロイド系駆除薬(商品名:スミスリンパウダー、スミスリンLシャンプータイプ)が有効ですが、海外の先進国ではこの薬が効かない抵抗性アタマジラミがまん延し、日本でも近年、この抵抗性タイプのアタマジラミが徐々に増加していることが確認されています。
ピレスロイド系駆除薬は、アタマジラミの成虫や幼虫をほぼ完全に取り除くことができますが、卵には効果がないため、ふ化してくるのを待って幼虫を駆除します。そのため3日に1度ずつ3~4回繰り返して使用します。正しく使用すれば10日目には、すべてのアタマジラミが駆除されているはずなのですが、まだ成虫や幼虫が見つかるようでしたら、抵抗性アタマジラミに感染しているのかもしれません。
このような場合は、リンスやベビーオイルなどであらかじめくしの通りをよくしておき、専用のくしですくことが推奨されています。アタマジラミの卵は通常の洗髪やブラッシングでは髪の毛からなかなか取り除けません。駆除の効果を正しく見きわめるためにも、駆除を始めるときには、卵の付着した髪の毛を1本ずつ切って取り除いておきましょう。
アタマジラミをもっているか、または、駆除できたかどうかに確信がもてない場合は、皮膚科を受診して確認してください。
(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
大石順子