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静岡新聞「薬の相談室」

胃腸の不調、眠気に効果的なハーブ—ミントの香りで気分すっきり

質問

24才の女性。病院では特に問題がないと言われましたが、何となく胃腸の調子がよくなく、ぼんやりしがちです。ハーブやアロマなどの自然療法に興味があります。このような時に役に立つハーブはありますか?

回答

新年度や新学期などの環境の変わり目は、胃腸の不調を感じる方もいます。胃腸の働きは、ストレスによって、怒ったり、悩んだり、悲しんだりという感情が続くと、自律神経のバランスが崩れ、その結果、血管が収縮して胃粘膜に栄養分や酸素が行きわたらなくなったり、胃酸分泌が増えて胃粘膜にダメージを及ぼすことになります。

そして、穏やかな陽気に包まれて、ついウトウトとぼんやりしてしまうことが増えます。

そのような場合、ペパーミントがお勧めです。シソ科のハーブで、和名は西洋ハッカと言い、エッセンシャルオイル(精油)としてだけでなくハッカ油としても市販されています。

この精油をティッシュに2、3滴たらして、顔の周りをひらひらっとさせてみたり、水やアルコールで薄めてルームコロン(室内香水)として使ってみましょう。胃の重苦しさや耐えがたい眠気がすうっと引いて、気分がすっきりするのがわかると思います。ペパーミントの成分l-メントールのさわやかな香りを嗅ぐことで、中枢神経が刺激され、眠気を吹き飛ばして脳を活発にさせ、胃腸の不調全般にもよい作用を及ぼすと言われています。

また、ペパーミントの葉(ドライハーブ)をハーブティーとして飲むことも、新年度に多い心身の不調の緩和に役立ちます。

(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
大石順子

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